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所属:地域創生学部 地域創生学科 健康科学コース 職位:准教授 学位:博士(学術)
研究室:県立広島大学広島キャンパス1516号室
E-mail:atsuji@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/7000017297
卵子の質の低下は、減数分裂異常、ミトコンドリア機能の低下、DNA損傷などの複合的要因により、流産や染色体異常の原因の一つと考えられています。卵子の質と栄養や食品成分との関係を明らかにしようとしています。
応用栄養学
卵子の質と栄養の関係性の解明、過度なストレスによる卵子の質低下予防に有効な食品成分の探索
卵子の質の低下は、減数分裂異常、ミトコンドリア機能の低下、DNA損傷などの複合的要因により、流産や染色体異常の原因となると考えられています。減数分裂とは、生殖細胞をつくるときに行われる特殊な細胞分裂です。卵子は減数分裂第一分裂前期で停止し、その後ホルモン等の刺激を受けて減数分裂が再開し、排卵されます。卵子の質の低下の主な要因は加齢がありますが、栄養や食品成分も卵子の質に影響することが報告されています。
これまでに水溶性ビタミンに着目して研究してきました。水溶性ビタミンの中でもビオチンと卵子の質の関係性について研究を進めています。ビオチン不足が減数分裂や未成熟卵子(減数分裂再開前の卵子)の代謝、細胞内シグナルにおよぼす影響の解明に取り組んでいます。
また、過度なストレスも卵子の質を低下させる原因と言われています。過度なストレスによって引き起こされる減数分裂異常に対して有効な食品成分の探索と、そのメカニズムの解明に取り組んでいます。
「食」は生きていくうえで不可欠です。そのため、健康な人から病気の人、赤ちゃんから高齢者の方まで幅広く人々の健康や生活に関わる分野です。摂取した栄養素や食品成分がどのように我々の身体や健康、疾病に影響するのかを知ることは、人々の健康の維持?増進につながります。
私の研究は、まだ動物レベルでの研究なので、ヒトでも同様のことが起きるのか、ヒトにおける食品成分の有効性や安全性など検討すべき課題は山積みです。しかし、一歩ずつ研究を積み重ねていけば、食生活を改善することで病気を予防したり食事療法を行ったりするように、不妊においても科学的根拠に基づいた食事の提案や栄養素、食品成分の摂取により予防や治療のサポートができるのではないかと考えています。少しでも不妊で苦しむ方々の助けになることを期待しています。
遺伝子発現やタンパク質発現の解析により、動物や細胞を用いて卵子と栄養?食品成分との関係性について研究をしています。卵子と栄養素や食品成分との関係性を解き明かすことにより、卵子の質の低下を抑制?改善するための栄養学的手法の開発を目指しています。
管理栄養士、栄養士、栄養教諭(専修)
卵子、水溶性ビタミン、食品成分、減数分裂、エピジェネティクス